主な病気について 消化器系
 ■ 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
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監修:医)三喜会 有楽橋クリニック 
鐘ヶ淵クリニック 
院長 林 泰 先生 
 ■ 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
 
 食事をすると胃の粘膜から胃液が分泌されます。胃液の主成分は強い塩酸で、蛋白質を消化したり、食物の殺菌をしたりします。所が、その胃酸が場合によっては悪い作用をすることがあります。それは胃酸が胃の粘膜を消化して粘膜組織が抉(えぐ)られてしまうのです。
 
  こうして起こる胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍は全て消化性潰瘍と呼ばれています。潰瘍治療の目的は疼痛などの自覚症状をなくしたり、潰瘍を治したり、再発を予防したりすることです。疼痛の他に出血、穿孔、狭窄などの合併症も起こりますが、大部分の潰瘍は内科的治療で治癒させることが出来るようになっています。

 胃潰瘍、十二指腸潰瘍は、精神的・肉体的ストレスが増悪因子ですから、心身共に安静を保つことが一番大切です。一般には通院治療でよいのですが、出血を伴う潰瘍や、基礎疾患がある老年者の場合は入院が必要になる場合もあります。食事も潰瘍治療の重要な要素です。潰瘍部からの出血がある時は当然絶食で、点滴が必要です。自覚症状が強い急性期は軟食・軟菜にしますが、なるべく早い時期に栄養のバランスの良い食事に変更します。急性期には禁酒を勧めます。喫煙は再発予防の為もあり禁止します。

 薬物療法は胃酸分泌能、年齢、合併している病気などによって薬を使い分けます。胃の粘膜を保護する作用を持つ薬(ノイエル細粒、ガストローム、セルベックスなど)と、胃酸の分泌を強力に抑制するH2受容体拮抗薬(ガスターなど)、プロトンポンプ阻害薬(タケプロン、パリエットなど)を併用します。

 一旦治癒した潰瘍も服薬を中止すると高率に再発することが明らかになって、一定期間治療を継続することが推奨されています。
 
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