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 ■ 高尿酸血症
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監修:医)三喜会 有楽橋クリニック 
鐘ヶ淵クリニック 
院長 林 泰 先生 
 ■ 高尿酸血症

 高尿酸血症は痛風発作だけでなく、腎機能障害や動脈硬化症を来す生活習慣病の一つですから、尿酸値は正常以下に保たなければならないのです。
 
  尿酸塩は針状の結晶で、血液中で6.5mg/dlより多いと析出し、それ以下では析出しません。理想的な血清尿酸値は6.0mg/dl以下とされ、最近の治療の目標値となっています。人間ドックなどをしている検診センターなどでは7.0mg/dl以下が正常という基準値を用いているところもありますから注意が必要です。その昔、何も症状がない健康と思われる集団の測定値を元に、その平均値から偏差値を計算して決めた値なのです。実際には尿酸値が8.0mg/dlくらいでは殆どの人は痛風発作を起こしませんから、当時は健康集団に組み込まれていたのでしょう。

 肥満・過食・大量飲酒・ストレスは痛風発作の誘因となります。痛風発作直後の血清尿酸値は高いことが多いのですが、正常ないし低値のこともあります。発作時は、足の親指や踝の関節に発赤・腫脹・熱感を伴う激痛が襲います。関節液に針状の尿酸塩結晶が認められます。疼痛は1日で極限に達しますが、発作がない間は無症状です。

 高尿酸血症予防には、まず、プリン体を摂りすぎないことです。プリン体は動物性蛋白質だけでなく、植物性蛋白質にも含まれているので、肉、魚だけでなく、大豆製品なども食べ過ぎないで下さい。酒は飲まないけれど、毎朝豆腐や納豆を食べていますという人の尿酸値が高いということは屡々見られます。
 
  アルコールではビールはプリン体の含有量が多い上に、飲む量が多くなりがちですから、最初にコップ1杯のビールで乾杯し、後は他のアルコールに変えるのが望ましいのです。しかし、アルコール自体にプリン体を殖やす作用がありますから、飲み過ぎないように注意して下さい。

 また、血液中の尿酸を減らす為に、水やお茶などの飲水量を増やして尿量を1日2リットル以上に増やすのが有効です。

 ユリノームなどの尿酸排泄剤は、尿酸を排泄させることによって強力に血清尿酸値を低下させます。しかし、尿路結石の既往がある人、腎結石がある人は尿路結石症発作を引き起こすおそれがあるため使用できません。尿酸結石が出来難くさせるための秘訣として、水分を多く飲むこと、牛乳、野菜などアルカリ食品を多く摂取することなどが大切です。

 ザイロリックなどの尿酸合成阻害薬は体内での尿酸の合成を阻害し、血中の尿酸増加を予防します。この薬は腎機能障害の人でも服用することができます。
 
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