 |
主な病気について 消化器系
■ 血 便 |
|
HOME > コラム・情報コーナー >主な病気について「血便」 |
|
■ 血 便 |
便に血が混じる(血便)というのは炎症、潰瘍、腫瘍などによって消化管内に出血したためではないかと考えられます。肉眼的に血便が見られる時は多量の下血があったためですが、時にはトマトなど赤い食品が未消化で排泄されたものを見誤ることもあります。
出血した部位や量によって、便の色が違ってきます。食道、胃、十二指腸など消化管の上部から出血した場合は血液が胃酸と結合し暗赤色か黒褐色をしています。上部消化管から多量な出血があった場合は真っ黒なコールタールのようなタール便が見られることもあります。下行結腸、S字結腸、直腸などの下部消化管の出血では、血液は赤いまま便に混じります。特に排便時にぽたぽたと血が滴るようなら、肛門や直腸の疾患が疑われます。また,粘液性の血便のときは潰瘍性大腸炎や細菌性腸炎、あるいは赤痢などの伝染病の疑いがあります。
細菌感染症では大腸菌O−157による出血性腸炎も考慮しなければなりません。
尚、出血量が少なくて肉眼では分からず、通常では下血と気付かない微量の出血のことを潜血といいます。会社の健康診断などで便の潜血反応を2回検査して、1回だけ陽性でもう1回が陰性だった場合、1回でも陽性の場合は微量の出血があると考えられますから大腸の検査を受けるのが好ましいのです。便潜血反応はヒトヘモグロビンに鋭敏に反応する検査法だからです。大腸ポリープや大腸がんなどが成長しているときは出血しませんが、ある程度成長すると固い便の塊で擦れたりして出血するのです。
大腸の内視鏡検査は当日の朝下剤と共に水を2リットル飲み、大腸内がきれいにします。検査は肛門から細い内視鏡のチューブを上行結腸まで入れて引き抜きながら粘膜を観察していきます。小さなポリープがあり切除できる場合はその場で切除することが多いと思います。
大腸にポリープが出来た人は再発の可能性を調べるために2-3年後に再検査を受けるのが望ましいとされています。
気になる症状がある場合は、消化器専門医を受診し、消化管の精密検査、治療を受けてください。
|
|
|