主な病気について 感染症
 ■ 重症急性呼吸症候群(SARS)
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監修:医)三喜会 有楽橋クリニック 
鐘ヶ淵クリニック 
院長 林 泰 先生 
 ■ 重症急性呼吸症候群(SARS)
 
 今、アジア各地で猛威を振るっている重症急性呼吸症候群(SARS)の原因と見られる新種のコロナウイルス(風邪の原因ウイルスの一種)に対して、有効な抗ウイルス剤が見つかっていません現時点では対症療法で対処するだけです。

 このウイルスは感染力が非常に強いため、大規模な流行が起こりそうです。咳やくしゃみなどによる飛沫感染が主ですが、患者さんが触ったものでもウイルスが付いている場合は感染する可能性がありそうです。

 ほとんどの患者は、突然の38℃以上の発熱を来します。中には、その他に、悪寒・震え・咳・頭痛を発症する人もいます。3日から7日後、患者は、息切れの症状が出始め、胸部X線検査では肺炎の所見が見られます。大体80-90%の患者は徐々に回復に向かいます。しかし、約7日後に10-15%の患者は、肺炎が進行し、補助呼吸器が必要になります。約6%の患者が集中治療の甲斐無く亡くなり、亡くなってしまう方々のほとんどは、40歳以上です。

 感染者が咳をしたり鼻をかんだりした時の微粒子が空気中に放出され、近くにいた人がそれらを吸い込んでしまうのが主な感染経路だと考えられています。ほとんどの感染例が、ヘルスケアワーカーや友人・家族の間で発生しています。感染性が高い患者が多くの人々に移す場合がありますが、これは、早期に診断できず、診断されるころまでに、多くの人々と密接な接触があったためだと思われます。

 初期症状が大切な目安になります。まず、38℃以上の発熱と呼吸器感染症状で、発熱は大事な尺度になります。疑わしい時はまず検温することです。体調が悪く、医者にかからなければならない時は、マスクをし、感染の広まりを防ぎます。手洗いはこまめに行いましょう。

  次は、SARS感染者からの感染の可能性です。感染地域へ旅行した場合などの感染の可能性を主治医に伝えることが重要です。さもないと、咳や熱などから通常の風邪やインフルエンザの症状と間違った診断になってしまいかねません。インフルエンザも発症すると38度以上の高熱になってしまい、紛らわしいので、流行前のインフルエンザワクチン接種が勧められています。
 
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