歯周病は歯垢（プラーク）、すなわち歯の表面上につねに形成されるいる粘り気のある細菌膜によって引き起こされます。毎日の正しい歯磨きと歯間の清掃によってこの歯垢を取り除かないと、細菌から毒素が放出され、この毒素が歯肉を刺激し、炎症を引き起こします。治療せずに放置すると、歯肉組織が歯から分離し、歯周ポケットと呼ばれる隙間が形成されます。この歯周ポケットがさらに多くの細菌の温床となり、最終的には歯を支えている骨やその周囲の組織が破壊されてしまいます。

歯周病の初期にはほとんど、あるいはまったく何の症状も見られないことがあります。ですから定期検診および歯のクリーニングがとても大切なのです。定期的に検診をうけていれば、この段階での治療が可能になります。以下に上げる兆候が見られる場合、すぐに歯科医に診てもらってください。

• 歯磨きや歯間清掃の際に歯ぐきから出血する。
• 歯ぐきが赤く腫れている、あるいは柔らかい。
• 歯ぐきが歯から離れている。
• いつまでも口臭がある。
• 歯と歯肉との間に膿がたまっている。
• 歯がグラグラする、あるいは歯と歯の間に隙間がある。
• 上下の歯を噛み合わせたときの感じに違和感がある。
• 部分義歯の装着感に違和感がある。

1日3回の歯磨きと、デンタルフロスや歯間ブラシなどを用いた歯間清掃は、歯周病予防に効果的です。歯科医院では、歯のクリーニング方法に関する細かい指導を受けたり、自宅で使用できる口腔内の衛生用品を購入することもできます。

また、歯周病を予防するには、口腔内のみならず全身の健康のためにもバランスのとれた食生活を心がけ、喫煙を避けることが重要です。

毎日きちんと歯磨きや歯間清掃をしていても、歯と歯肉の境目のように、全ての歯垢を取り除くことが難しい部分もあります。歯垢が固くなると取り除くのが難しい部分もあります。歯垢が固くなると、歯石または血石と呼ばれるざらざらした多穴性の堆積物になります。一度固くなった歯石は、しかいいんでの専門的なクリーニングでしか取り除くことが出来ません。定期的に歯科検診の日程を予約し、歯周病を早期に発見・予防することが重要です。

初期段階の歯周病は歯肉炎（歯ぐきの炎症）と呼ばれます。歯肉が赤く腫れ、歯磨きの際にすぐ出血します。幸い、この初期段階の歯周病は完治します。自宅でのケア方法を改善し、専門家によるクリーニングを定期的に受けるだけですむ場合もあります。

すべての歯科医が歯周病の診断および治療を行うための教育を受けています。けれどもかかりつけの歯科医が専門医による治療が必要であると判断した場合、歯周病専門医の歯科医を紹介されることもあります。歯周病専門医とは。歯を取り囲んで支えている軟組織および骨の疾患の予防、診断および治療を専門とする歯科医です。

「歯周病は自然に治る病気ではありません」
　歯周病を予防し、初期の段階で治療することが健康な笑顔を守る最善の手段です。