■■■ 妊娠中の歯科治療について
●妊娠中、お口の中に現われやすい症状
- 歯肉炎
妊娠中はエストロゲン(女性ホルモン)の増加や内分泌の変調などにより、歯肉が赤くなり、腫れやすくなります。ときに、歯肉から出血する事もありますので注意しましょう。
- エプリース(歯肉腫)
歯肉炎の症状が進行すると、お口の中に増殖性の腫瘤ができることがあります。大きさは2〜数cmで、妊娠3ヶ月頃から発症して、出血しやすくなります。
- う蝕歯(むし歯)
妊娠すると、
1)口の中の唾液が酸性になり粘っこくなります。
2)「つわり」などで食事の回数が増えて、口の中が汚れやすくなります。
虫歯になる危険性が増加しますので、気をつけましょう。
ひと言
特に近年、お母さんが中等度から高度の歯周病(歯肉炎の進行した状態)にかかっていると低体重児を出産しやすくなり、喫煙やアルコール摂取よりも大きな影響あるといわれています。
★アドバイス
これらのいずれの症状も、お口の中の清掃・プラークコントロールによって十分に予防できます。バランスのよい食事を心がけ、歯科医院などで正しいブラッシング(ハミガキの仕方)を聞いて、つねにお口の中を清潔にしましょう。
●妊娠したら歯科医院に行きましょう。
- 妊娠したら歯の健康診断を受けましょう。
歯や歯肉の病気は、最初のうちはあまり気がつかないものです。とくに、妊娠中はお口の中の健康が悪化しやすくなります。妊娠をしたら早期に歯科医院で歯の健康チェックをしてもらいましょう。
- 歯医者に行ったら・・・どうするの?
歯科医院に行ったら、必ず妊娠をしている事を歯科医師に告げてから診察を受けて下さい。その際に、最終月経や妊娠週数、出産予定日を告げてください。妊娠中の治療で最適な時期は、妊娠4ヶ月から7ヶ月の間です。この時期はいわゆる安定期で、流産の危険も少ない時期です。
妊娠は女性にとって生涯の中で極めて特別なできごとであり、情緒も不安定になりやすいものです。歯科医師とのコミュニケーションを上手にとり、より良い信頼関係を気づく事は、患者様にとってもわれわれ歯科医師にとっても、ストレスと不安を大きく減少させ、治療をスムーズに成功に導く秘訣です。治療に納得できない事やわからない事はきちんと質問し、妊娠中毒症などの合併症を持っている方は、産科主治医と連絡をとってもらいましょう。 |